2023年度助成事業

 2023年度助成事業は、一般助成に8団体・個人計190万円、「杉本とき鳥類保護助成基金」の助成は3団体に100万円の総額290万円の助成となりました。

一般助成

杉本とき鳥類保護助成

各報告

市民による小さなヒグマ対策の実施とネットワーク形成=小樽市・浦幌ヒグマ調査会

 北海道新聞野生生物基金の助成を受けて2014年に開始した、札幌市南区石山地区の豊平川河畔林における市民によるヒグマ侵入防止草刈り活動は、その後も継続され22年で9回目を迎えました。今年度草刈り活動10周年を迎えるにあたり、これまでの歩みや活動の展開の振り返りを含めたイベントを、草刈り活動と併せて開催、また各地に広がってきた市民によるヒグマ対策を横につなぎ、対策の意義を改めて確認するとともに、それぞれの活動間の情報共有と、情報交換を行うネットワークの形成のために10回目の草刈り活動とフォーラムについて報告します。


石山地区河畔林草刈りの様子

 今年度は8月6日に「豊平川草刈り&ヒグマの生態勉強会」と題して、札幌市南区石山地区の豊平川河畔林において草刈りを開催しました。当日は地域住民の方々、札幌市職員、メディア関係者、大学生などあらゆる業種と幅広い年齢層の方にご参加頂き、参加者数は48名に上りました。草刈りは9時から11時まで6班に分かれて、スタッフリーダーの指示のもと行いました。最初は何も見えず、草が生い茂っていた河畔林が、最終的には川が見渡せるほどになり、ヒグマの移動経路を分断することができました。草刈り後の勉強会では、石山地区草刈り活動10年の歩みについて、浦幌ヒグマ調査会事務局長兼酪農学園大学教授の佐藤喜和氏から発表が行われました。また、同大学の大学院生からは、ヒグマの基礎的な生態に加え、石山地区豊平川付近のヒグマ出没情報などを学び、これまでの草刈り活動を振り返りました。その後は地域主体のビンゴ大会が行われ、とても盛り上がる会となりました。


フォーラムの集合写真

 12月10日13時30分から16時30分に「市民による小さなヒグマ対策フォーラム」を開催しました。本フォーラムは、毎年草刈り活動後に勉強会を行っている石山ひろば(札幌市南区石山地区)で実施され、53名の方が参加しました。道内8つのヒグマ対策活動の報告や、札幌市行政から事例報告をして頂き、その後は「活動をつづけたその先について」や「活動を継続する上での困りごと」、「これから活動を始めるには?」の3テーマ6グループに分け、経験のあるファシリテーターに進行と取りまとめをしてもらいながら、ワークショップを実施しました。参加者からは「様々な立場・年代の人と話ができてよかった」という声が聞かれた一方で、活動の担い手不足などの課題を抱えていることも分かりました。フォーラム終わりにアンケートを行い、長きにわたり活動している石山地区の草刈り活動も、4割の方に周知はされていなかったという結果になったため、これまで通り草刈り活動を行うとともに、チラシやSNSなどを用いた活動の告知や終了後の報告を行うことで、このような輪がもっと広がっていくと考えています。また、フォーラムの感想を集計したところ、多くの方々が新たな知識を得られたと回答しており、今後の活動継続への前向きかつ好意的な意見が寄せられていました。同時に人材不足や担い手の高齢化など今後の懸念点を再確認し、正しく現状を認識している参加者の熱意も感じられる結果となりました。


ワークショップ(フォーラム)の様子

 10回目の活動を終えた今、さらなる継続と水平展開を願い、今までの軌跡を「札幌市石山地区ヒグマ対策10年の歩み」という題で、記録として残すことにしました。本記念冊子は石山地区の地域の方々、草刈り活動やフォーラムの参加者、浦幌ヒグマ調査会会員などに送付しました。

「北海道の海浜生態系の魅力と保全の重要性を伝える!」=札幌市・特定非営利活動法人 EnVision環境保全事務所

 北海道では、ニホンジカ(亜種エゾシカ)が 海岸線でも生息しており、国内の海岸砂丘などに生育する希少な植物(以下:海浜植生)への影響が深刻です。しかし北海道では、海浜植生の保全に取り組む地域の個人と団体での情報交換の機会が少なく、共通する課題などについて、これまで議論できる場が設けられませんでした。各地域(東部:根室市春国岱、西部:石狩市石狩浜)で関係者および市民が集まり、各組織からの海浜植生の保全の意義、課題について議論する場を設けました。両地域では、活動団体が積極的に保全活動を進め、特徴を活かした活動(例:春国岱でのエゾシカ対策、植生保護柵、鳥類調査など。石狩浜での市民活動、外来種対策、ハマナス育種など)を実践してきました。しかし情報交換の機会が少なく、共通の課題として都市住民(札幌圏)への普及啓発も不足しています。そこで本活動では、両地域での活動実績があり、市民への普及効果がある札幌市円山動物園と協働で、海浜植生保全に必要な技術と知見を市民と専門家で共有し、新たな北海道での海浜植生保全の潮流を生むことを目的としました。

春国岱・石狩浜 魅力発掘ワークショップ
【実施日】8/10(木)、9/11(月)・26(火)、10/16(月)、11/2(木)、12/19(火)・1/25(月) ※打合せ含む
【場所】春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンター(根室市)、円山動物園(札幌市)
【参加者組織】環境省 野生生物課、根室市 農林課、根室市 観光協会、公益財団法人 日本野鳥の会、石狩市 環境市民部自然保護課、合同会社いしかり植物ラボ、札幌市 円山動物園、Envision環境保全事務所

フォーラム
【日時】12/22(金)13:30-15:40
【場所】札幌エルプラザ 2階 環境研修室 (札幌市北区北8条西3丁目)
【参加者】会場:20名(申込:15名)、オンライン:82名(申込:77名) 全102名
【参加費】無料
【申込方法】会場・オンライン共に要申込
【共催】環境省 釧路自然環境事務所・NPO法人EnVision環境保全事務所
【後援】北海道新聞野生生物基金・札幌市円山動物園

【講演内容と講演者】
〇国内外のシカ類の海浜植物への影響:吉田 剛司 (NPO法人EnVision環境保全事務所)
〇春国岱(根室市)での取り組みと研究:上畑 華菜 (環境省 釧路自然環境事務所)、小林 恒平 ( NPO法人EnVision環境保全事務所)、外山 雅大 (根室市 歴史と自然の資料館)
〇石狩浜(石狩市)での取り組みと研究:髙橋 惠美 (石狩市 石狩浜海浜植物保護センター)、内藤 華子 (合同会社いしかり植物ラボ)
〇動物園での展示と普及啓発:相田 佑樹 (札幌市円山動物園)
〇総合討論・質疑応答(講演者全員)

実施の様子
 春国岱(根室)では、エゾシカによる海浜植生への被害が深刻化しており、様々な組織が調査を実施しています。これらの調査結果は、エゾシカの侵入が、まだ深刻化していない地域での有用な事例となることが確認できました。石狩浜(石狩)では、砂浜の後退や人為的な環境改変による海浜植生への影響は明らかとなっている一方で、エゾシカによる影響は誰も明確に把握できていないことが判明しました。
 エゾシカによる採食圧と踏圧により、海浜植生に深刻な被害が出ている根室市春国岱、そして近年エゾシカの侵入が確認され、影響が懸念される石狩市石狩浜での調査結果や取組をフォーラム形式で紹介することで、札幌市を中心とした都市住民、さらにはウェビナーとして日本国内(北海道から沖縄まで)の様々な地域からの参加者に対して、海浜植生や、それへの興味や関心を高めました。


石狩浜での活動

 春国岱より、シカの植生被害の現状、行政(環境省)が実施する植生保護柵の設置、さらにはNPO団体と札幌市円山動物園が実施した行動追跡の結果を紹介しました。石狩浜では、シカの侵入を確認していますが、まだ定量的な調査などが少ない現状が紹介され、活動の一例として、札幌市円山動物園でのエゾシカ舎でのシカ柵内でのハマナスに関する展示を紹介しました。
 フォーラムは、登壇者の情報交換の機会にもなり、根室-石狩のネットワークの強化につながりました。また、会場含め、全102人の市民が本フォーラムに参加しており、北海道の海浜植生とエゾシカについて、またその周辺環境について、広く普及啓発する機会となりました。会場のみならず、WEBでの多くの質問がありました。例えば、会場には、石狩地域で研究を進める市民も参加しており、それぞれの知見を交換する場にもなりました。実際にフォーラム後には、石狩浜にて調査を実施している団体より、エゾスカシユリなどに対するエゾシカの食痕に関する情報提供もありました。


フォーラムの様子

【課題】
現地視察なども含む活動が実施できることが望ましい。(参加者意見として)

外国人留学生が見た北海道の自然環境を紹介する多言語ホームページ等の作成と学生による自然環境保全ワークショップの開催=江別市・国際交流サークルSukaRela

 国際交流サークルSukaRelaは、2006年に酪農学園大学に設置された国際交流を目的としたサークルです。語学を習得したいという学生から、将来海外で働きたいという学生まで、様々な動機を持ったメンバーで構成されています。部員は、酪農学園大学の学生が中心ですが、他大学や高校からも募り、横断的な活動を行っています。

○国内での活動
・サークル部員や学生の国際交流および国際理解のきっかけづくりやサポート
・留学や国際交流イベント等に関する情報を共有し、部員の参加機会の拡大
・留学生との交流イベントを企画し、サークル外の学生の国際理解のきっかけづくり
・その他、勉強会を開催し、お互いに意識や実力を高め合える環境をつくる
○海外での活動
・中国、フィリピン、マレーシアにおける植林による自然再生事業
・マレーシアにおける野生動物調査
・海外の大学とのオンラインによる交流
これらの活動を通じて酪農学園大学の学生のみならず、国際交流に関心のある若者と一体となって精力的に活動しています。

本事業の狙い
 国際交流サークルSukaReraとともに、酪農学園大学等で野生動物や森林の保全について学ぶ外国人留学生に、北海道の国立公園等を取材してもらい、専門的な目から見た北海道の自然を紹介する多言語(英語、中国語、マレーシア語等)ホームページ及びYoutube動画を作成し、広く海外に紹介することにより、北海道の自然環境の素晴らしさを普及するとともに、海外の大学との交流の推進や、自然環境の保全に関心のある観光客の誘致を図ることを目的としています。
 また、外国人留学生と北海道の高校生、大学生とのワークショップ及びポスター展を円山動物園と旭山動物園で開催し、北海道の抱える課題を話し合うとともに、お互いの自然環境の保全について議論し、課題解決に向けた提言を行い、北海道のSDGs、特に目標15の「陸の豊かさ」の達成に貢献することを目的とします。


羅臼高校生とマレーシアサバ大学学生

実施主体
主催 国際交流サークルSukaRela及びマレーシアサバ大学留学生
協力 酪農学園大学、札幌市円山動物園、旭川市旭山動物園ほか

地域
北海道内の国立公園、国定公園

方法と結果
 部員とマレーシアサバ大学の学生が協働して、大沼国定公園、支笏洞爺国立公園、大雪山国立公園、知床国立公園、阿寒摩周国立公園、サロベツ湿原について現地で取材を行いました。これらの成果は、「留学生が見た北海道の自然」サイトとして、これからこれらの地域を訪れる留学生、観光客に分かりやすいように日記風にまとめたホームページを構築しました。また、その様子を記録した動画を編集しYoutubeチャンネルで配信しています。

多言語ホームページ、YouTubeチャンネルの作成

 外国人留学生が見た北海道の自然公園紹介ホームページの構築。
Hokkaido Nature Discovery(北海道の自然発見)
In the eyes of international students(留学生の視点から)
URL  https://hokkaidond.wixsite.com/hokkaidond


羅臼高校、とわの森三愛高校におけるワークショップの開催

日時/23年9月8日、9日
場所/羅臼高校
参加者/羅臼高校生徒20名、羅臼高校教員2名、マレーシアサバ大学学生8名、酪農学園大学教員1名
内容/9月8日 羅臼高校生徒とマレーシアサバ大学学生が、英語で北海道の自然環境についてワークショップを行いました。
9月9日 羅臼高校生徒及びサバ大学学生が知床のフィールドを視察しワークショップを行いました。

海外の大学とのオンラインワークショップの開催

8月30日に、マレーシアサバ大学とオンラインでのワークショップを開催し、北海道の自然環境についてプレゼンテーションを行いました。

子どもエコたんけん隊~川であそんでくらべよう!~=小樽市・NPO法人自然教育促進会

事業の目的
川と周辺の河川敷で地域の豊かな自然の中で遊びながら、生物を観察し学び発見することで生物の多様性とその大切さを知り、地球環境を守る意識を高めることを目的としました。

事業期間

 2023年7月16日(日)~8月27日(日)

実施地域

 琴似発寒川(農試公園周辺)とその河川敷、龍谷高校札幌図書館、札幌市中央図書館

実施方法

 放課後等ディサービス関係者、龍谷高校札幌メディアセンター関係者、ウェブデザイナーなど各専門家と協力し合い実施しました。対象は、支援を必要とする就学児童・生徒、障がいのある、発達に特性のある児童・生徒(小学1年生~中学生)とし、川での自然体験活動と図書館での探究活動を行いました。参加費は2回とも無料。日程など以下の通りに実施した。

座談会、説明会

・日時 23年7月16日(日)
・座談会 13:30~14:30
・説明会 15:00~16:00
・場所  札幌市生涯学習センター ちえりあ 2階 大研修室(札幌市西区宮の沢1条1丁目1-10 ℡.011-671-2200)
・講師  札幌龍谷高校メディアセンター (数学教諭) 吉本 拓郎さん、探究教室TANSAKU (WEBデザイナー) 代表 青砥 愛子さん、放課後等児童ディサービス 自然学校発寒 代表 安原 明宏さん、放課後等児童ディサービス 自然学校発寒 児童発達支援管理責任者 川村 美和子さん
・司会  NPO法人自然教育促進会 理事長 安原 政志
・参加人数  6家族(保護者7人、子ども8人) 合計15人

内容

 安原が司会し座談会、説明会を行いました。講師各人に自己紹介含め日常の仕事内容とこの事業の担当について語ってもらいました。参加した保護者へ今までの自然体験活動の有無、図書館利用の有無について話を聞き出しながら講師にコメントを求めました。殆どの方が自然体験の活動経験がなく、川あそびへの関心が高いことがわかりました。図書館利用は4家族が地域の図書館利用経験があり、それぞれ興味のある分野の絵本、物語など図書を楽しんでいました。説明会では要項を中心に説明し、特に川たんけんでの服装、持ち物の質問が多く、個別に応えました。
※補足…参加決定者を対象に8月6日(日)3者面談を行いました。川たんけん行動についての不安感が多くありましが、自然学校発寒の横を流れる川が会場だったため、具体的に会場を見て説明することが出来て安心感を増すことが出来ました。

川たんけん編

・日時 23年8月20日(日)9:00~16:00
・場所 放課後等児童ディサービス 自然学校発寒(札幌市西区発寒11条1丁目9-46 ℡.011-699-5234)
・琴似発寒川左股川(福井緑地)札幌市西区福井1丁目9
・講師  NPO法人 自然教育促進会 理事長 安原政志、NPO法人 自然教育促進会 自然教育部 部長 中村 隆、放課後等児童ディサービス 自然学校発寒 代表 安原 明宏さん
・スタッフ 放課後等児童ディサービス自然学校発寒 児童発達支援管理責任者 川村 美和子さん、放課後等児童ディサービス 自然学校発寒 社会福祉士 前川 和正さん 小学校教諭(ボランティア) 川村 春花さん
・アシスタント 札幌龍谷高校メディアセンター (数学教諭) 吉本 拓郎さん、探究教室TANSAKU (WEBデザイナー) 代表 青砥 愛子さん
・参加人数) 参加者16人 スタッフ8人

内容

 天気は晴れ。しかし、前日の雨で川が増水していたので、この日の川での体験は中止とし、代替えのプログラムを実施しました。参加者は自然学校発寒に集合。アイスブレイクとして友達づくりゲーム(ネームトス、パイプライン、フルーツバスケットなど)を楽しみましだ。その後、野外のビニールプールに水を張り、前日に琴似発寒川で採集しておいた魚やエビ・貝類などのタッチプールを設置しました。参加者たちは初めて見た生物が多いようでした。各生物の解説をしながら素手で水ごとすくい上げてもらいました。なかなか上手くいきませんでしたが、水遊びも楽しみながら川の生物に触れることが出来ました。午前から琴似発寒川の水位が下がったため、昼食後に予定していた場所の上流「福井緑地」の左股川で遊びました。ライフジャケットを着用して魚捕りにチャレンジしました。川は濁っていましたが、ヤマメやウキゴリなどの川魚を採ることができて、子どもたちは興奮気味でした。川の流れに身を任せて川下りを楽しむ「カッパの川流れ」遊びも好評でした。
※川の清掃活動は7月28日9:00から11:30まで体験予定会場中心に川の危険物除去、水深チェックを行いながら7名でゴミ拾いを行いました。ビニール袋、ペットボトルが多く大きなゴミ袋4袋分回収することが出来ました。

成果

 あいにくの天気でしたが予定していた川あそび、川の生物とのふれあい活動をすることにより、都会を流れる川にこんなにたくさんの生物が生息していることを楽しみながら体験することが出来ました。また、コミュニケーションが苦手な子が多くいましたが、共に川であそび、共に生物に触れることによって皆が笑顔になり、スタッフと子ども同士の会話が自然ととれるようになりました。2回目の図書を楽しむプログラムへとつなげる事ができました。

図書たんけん編

・日時 23年8月27日(日)9:30~15:30
・場所 札幌龍谷高等学校図書館(札幌市中央区北4条西19丁目1-2 ℡.011-631-4386)、札幌市中央図書館(札幌市中央区南22条西13丁目1-1 ℡.011-512-7320)
・講師 札幌龍谷高校メディアセンター(数学教諭) 吉本 拓郎さん、探究教室TANSAKU (WEBデザイナー) 代表 青砥 愛子さん、放課後等児童ディサービス 自然学校発寒 代表 安原 明宏さん
・スタッフ NPO法人自然教育促進会 理事長 安原 政志、保育士 小田嶋 有美子さん、看護師 栃久保 美紀子さん、科学塾講師 松下 真由子さん、札幌龍谷高校2年 小川 大翔さん(高校生リーダー)、札幌龍谷高校放送部3人
・参加人数  参加者数14人、スタッフ数11人

内容

 午前は、札幌龍谷高校図書館にて「へんな魚と図書かんたんけん」をテーマに活動しました。絵本「海とそらがあうばしょ」「ちがうねん」「スイミー」を大画面に映して読み聞かせ体験からスタートしました。龍谷生3人が読み聞かせを行い、参加者は皆、聞き入っていました。その後、1枚の紙に1人1匹の魚を描き、それをスイミーの絵本と同じように大きな画面に映すと一つの大きな魚となり、何と泳ぎだしたのでありました。
 午後は札幌市中央図書館へ移動し、職員から図書館の利用の仕方を学びました。午前のテーマをベースに本を借りるためにどのようにしたらよいか、実際に好みの絵本、図鑑、魚が載っている図書を探し出し、本を借りる事にしました。魚たちを集めて「へんな魚の図鑑」がスクリーンに映し出され“ねこざかな”“深海魚”“光る魚”などなど様々な魚を発見することが出来ました。

成果

 札幌龍谷高校では、アイスブレイクとして本を楽しみながら探す活動から始めました。絵本の読み聞かせでは、スタッフ含め皆で、大画面に映し出された絵と言葉をイメージをすり合わせながらファンタジーの世界へ誘うことが出来ました。そして、川の活動でスケッチした魚が大画面に登場、絵本スイミーの世界に入り込み、自分が描いた魚が動き出したことで驚き、大画面の中で「自然と絵本」をつなげることが出来ました。龍谷生の若いパワーで小学生のファンタジーを膨らませることが出来ました。札幌市立図書館では司書さんから本の借り方を学び、借りることにより本のイメージ、世界が広がり自然体験の世界から本の世界へ専門家のサポートを得て誘うことが出来ました。高校の先生、ウェブデザイナー、自然学校のスタッフが生み出した新たな学び世界を子どもたちに提供することが出来ました。

ポー川史跡自然公園保全活用事業=根室管内標津町・NPO法人自然・文化遺産保存活用ネット

事業の目的

 標津町に位置する「ポー川史跡自然公園」には、国が指定する天然記念物「標津湿原」があり、また世界最大の数を誇る縄文時代から現在までの、一万年に及ぶ長い間、人類が暮らしてきた竪穴住居郡を確認できる場所であります。また、公園内にはタンチョウ、オジロワシ等の営巣地の他、過去にはシマフクロウも生息していた場所でもあり、さらに希少動植物の生息が多数確認されていることから、手厚い保護を必要とする地域です。また、近年ヒグマの目撃情報が相次いでおり、公園の利用者との不意の遭遇による事故についても危惧されます。これらにより、現在利用されている遊歩道や散策路の危険箇所の雑草処理や、支障となる風倒木を除去し、散策路周辺の見通しを確保することでヒグマとの突然の遭遇を防ぐための対策としました、さらに、公園内に生息する季節ごとの花ガイドを作成し、裏面には散策路の分岐点が明確にわかるよう略図を印刷して、植物散策の入園者が、迷わずに植物観察をできるようにし、今後公園を利用する入園者の安全と「ポー川史跡自然公園」の環境保全活動を継続して行くことを目的として実施しました。

実施の様子 (実施主体、実施の様子)

 NPO法人自然・文化遺産保存活用ネットは、標津町に在住する町民で組織されており、元公務員・元団体職員・元銀行員・元会社役員・現会社員等多種の経験豊富な人達が、自然環境及び歴史文化遺産の保全・再生と、その価値の普及啓発、標津町が世界に誇れる自然環境と歴史文化遺産に根ざした、持続可能な保全活動に寄与するために活動している組織です。この度の事業は、ポー川史跡自然公園を管理する標津町教育委員会・「標津町観光ガイド協会」、及び同公園内で活動している「標津の森を守る会」の協力を得て、一般の入園者を受け入れながら、同じ目線で危険箇所の確認や、植物調査を実施し、ポー川公園の花ガイドの作成に至りました。


ポー川公園花ガイド作成のための植物調査(写真上)


遊歩道や散策路の危険箇所の雑草・風倒木処理

成果・結果、課題・問題点

 令和5年度は500部を印刷しましたが、公園の年間入園者の数を考慮すると数の不足が明らかなので、今後は増刷を考えています。その際には記載漏れの植物の調査や、確認が不十分な花について、専門家の意見を聞きながら花写真の追加や、内容の充実を図って行きたいと思っています。
 散策路の整備や安全確保については、作業実施後の単年度は安全が確保されていますが、冬季間での風倒木や雑草の成長に伴って状況が変化するので、継続した維持管理が必要であり、今後も本事業で協力をいただいた団体と共同で管理作業を進めていきたと考えています。

ワークショップ「北海道における屠体給餌の可能性」の開催=江別市・酪農学園大学農食環境学群環境共生学類環境法研究室

主催:札幌市円山動物園、日本大学生物資源科学部細谷研究室/Wild meat Zoo、酪農学園大学
日時:2023年6月25日(日)13:00~16:00
場所:札幌市円山動物園・科学館ホール
※午前中にアムールトラとハイエナへの屠体給餌を実施した。

 近年、獣害対策として捕獲された野生動物の屠体の有効活用と、動物園で飼育されている動物の動物福祉の向上という二つの課題をつなぐ新たな教育啓発プログラムとして、捕獲された野生動物を用いた屠体給餌への関心が高まっています。屠体給餌とは、捕殺したシカ、イノシシなどの野生動物を毛皮や骨が付いた状態で動物園の動物に与える給餌方法を指し、17年以降、日本各地で試行され、豊橋総合動植物公園では定期的に給餌を実施する体制が確立しています。


シカの屠体を貪るアムールトラのトート(酪農学園大学環境共生学類学生 岩崎弘明氏撮影。23年6月25日)

 北海道においてもエゾシカの捕獲頭数が増加し、屠体の有効活用が課題となっています。一方、札幌市は22年、動物園条例を制定し、良好な動物福祉の実現を動物園の責務と位置づけて屠体給餌を行ってきましたが、道内ではエゾシカの捕獲個体を適切に処理し、動物園へ供給する体制は確立していません。
 そこで、本ワークショップでは、捕獲された野生動物を用いた屠体給餌を導入し、その研究を推進してきたWild met Zoo関係者のお話を伺うと共に、道内の関係者が参加し、北海道の動物園がエゾシカを用いて屠体給餌を行うことの意義と課題を多角的に検討しました。


パネルディスカッションの様子(円山動物園科学館ホール)

 柴田園長の開会挨拶の後、細谷忠嗣氏(日本大学生物資源科学部/ Wild met Zoo)は、野生動物の捕獲数の増大に伴う有効活用の必要性と、動物園における良好な動物福祉の実現をつなぐ点に、この取組みの意義があるとして、寄生虫、病原性ウィルス、細菌類への対処として、ハイリスクの部位を除去し、凍結及び低温加熱を行う処理方法を説明しました。伴和幸氏(豊橋総合動植物公園/ Wild met Zoo)は、屠体給餌の第一の意義は環境教育にあるが、動物福祉の考慮が餌の入手に影響を及ぼしつつあるため、地域の野生動物の利用は、動物園の持続可能な運営にとっても重要であると指摘しました。坪松耕太氏(札幌市円山動物園)は、動物の行動や健康への良い影響がみられるため、屠体給餌は動物福祉に寄与するが、定期的な実施のためには屠体の入手が課題となると指摘しました。坂村武氏(北海道野生動物対策課)は、エゾシカの個体数管理と有効活用の促進を行ってきましたが、年間10万頭は未利用であり、運搬費用も課題となると指摘しました。石崎英治氏(㈱北海道食美樂)は、屠体給餌は未利用個体の活用、利用個体の単価上昇及び社会貢献としての意義があるが、価格及び製造プロセスと設備投資が課題であると指摘し、切石亮太氏(北洋銀行)は経済、環境、社会の視点でバランスよくとらえ、サプライチェーン全体の持続性を確保することが重要であると指摘しました。パネルディスカッションには小菅正夫氏(札幌市環境局参与)も参加し、衛生基準の捉え方、捕殺及び運搬方法、費用負担と信頼関係の重要性等について活発な議論が行われました。屠体給餌の実施体制の確立には市民の理解と支援が不可欠であるため、ワークショップの動画及び報告書は広く公開します。
※本ワークショップは2023年度北海道新聞野生生物基金の助成を得て実施。

鳥類保護助成

道央圏のタンチョウ飛来状況の把握と飛来情報の集約=札幌市・道央圏タンチョウ見つけ隊

 近年、道央圏に生息域を広げている特別天然記念物のタンチョウ。環境省は、道東に集中するタンチョウの分散化行動計画を策定し、冬場の給餌量を調整するなどしています。タンチョウの自然分散は確かに進んでいるように見えますが、農業など生産活動とのあつれきも報告されているなか、今後、新天地で生活するタンチョウとどうつきあってゆくか。「タンチョウとの共生」を考えるには、タンチョウが新天地でどのような生活をしているのか、その行動を把握することが大切です。
 そんな思いから「道央圏のタンチョウ飛来状況の把握と飛来情報の集約」を活動目標に掲げ、札幌市と北広島市に住む3人(深沢博、佐藤ひろみ、河野潤)で2023年3月に結成したのが「道央圏タンチョウ見つけ隊」です。道央圏へのタンチョウの飛来状況を把握するとともに、その動向をできる限り自分たちの目で確認し、データを蓄積することによって、タンチョウの保全やタンチョウとの共生に向けて取り組む皆様のお役に立てればと、1年を通して活動し、その結果を報告会(1月27日)で発表しました。報告書にまとめ、120部印刷し、関係各機関や協力していただいた方々に配布しています。
 私たちは昨年から道央圏のタンチョウ観察を始めたわけではありません。3人それぞれ、専門とする分野は異なりますが、タンチョウが道央圏に姿を見せ始めてから、その動向を観察、記録してきました。10年代初めからむかわ町周辺での繁殖を見守ってきた「ネイチャー研究会inむかわ」の皆さん、20年から舞鶴遊水地で繁殖を始めた長沼町の「舞鶴遊水地にタンチョウを呼び戻す会」のメンバー、一般社団法人タンチョウ研究所の研究者たちとも連携し、情報を共有してきました。23年度は北海道新聞野生生物基金の助成を受けられることになり、より一層連携を強化し、情報収集及び観察頻度をさらに高めました。若鳥たちが分散して行動する春にはほぼ連日、繁殖期は慎重に、幼鳥が飛べるようになって親子で行動圏を広げる秋、越冬地への移動を見定める12月にはほぼ連日のように出動し、1月以降は越冬地確認のために日高地方を行脚するなど活動を展開しました。


8月、エスコンフィールドをバックに飛ぶ東の里ペア。繁殖に失敗した後も越冬地へ飛去する12月まで東の里、北島両遊水地周辺で暮らし続けた

 その結果、23年度は、道央圏で7つがいの繁殖行動が確認され、うち5つがいが計6羽の子育てに成功し、少なくとも26羽のタンチョウが道央圏の空を舞ったことが確認されました。そして、そのほとんどが東胆振や日高西部の不凍河川流域などで越冬したことも確認できました。22年度は繁殖成功4つがい、飛べるまで育った幼鳥は2羽でした。「道央圏で暮らすタンチョウは年々増えている」ことを実感できた1年でした。
 さらに、千歳川流域6市町に完成した千歳川遊水地群<江別太(江別市)、晩翠(南幌町)、東の里(北広島市)北島(恵庭市)、舞鶴(長沼町)、根志越(千歳市)>が、タンチョウにとっていかに重要であるかを再確認しました。「タンチョウも住めるまちづくり」を進める長沼町の舞鶴遊水地では20年から4年連続子育てに成功し、東の里、北島の両遊水地では23年、結局は失敗したものの、いずれも道央圏生まれ(推定)の若いペアが初繁殖にトライしました。ほかの遊水地でもタンチョウがねぐらとして、あるいは餌場として頻繁に利用していたことも確認できました。遊水地群の利活用の在り方が今後の道央圏へのタンチョウの広がりに重要な意味を持つものと確信した1年でもありました。


8月、苫小牧市で確認された親子3羽。初繁殖ペアと見られ、9月以降は厚真川周辺で暮らし、「厚真川親子」と呼ばれた

 報告会は1月27日、札幌エルプラザ環境研修室で開催。道央圏全体のタンチョウの動向を深沢が、千歳川遊水地群のタンチョウ行動~繁殖と換羽を中心に佐藤が、東の里遊水地に絞って利活用とその将来について、地元北広島市民の河野が、タンチョウとの共生への一助となれば、との思いを込めて報告しました。なお、道央圏のとらえ方は様々ありますが、私たちは「石狩、後志北部、南空知、東胆振、日高西部」ととらえて報告しました。


報告会の様子

 一時は絶滅を伝えられた北海道のタンチョウですが、道東から道北へ、そして道央圏へと生息域を広げ、近年の北海道のタンチョウ生息数は1800~1900羽(タンチョウ保護研究グループの冬期確認調査)といわれています。
 24年はタンチョウ「再発見」から100年。100年前に「再発見」された10数羽から100倍以上増えた計算になりますが、道央圏ではまだ20数羽を数えたばかり。全体の2%にも満たない数です。江戸末期、アイヌ語由来の地名から「千歳」に変わったのもツルがたくさんいたからとされ、長沼町舞鶴もツルがたくさん舞っていたからとされています。舞鶴地区には「繁殖橋」という橋もあります。むかわに始まり、遊水地のおかげもあって道央圏に「戻ってきた」ともいえるタンチョウですが、手放しでは喜べません。


9月、飛ぶむかわ親子。再産卵による子育てで、飛べるようになったのは遅かった幼鳥も無事飛べるように(写真上)


9月、飛べるようになった幼鳥を連れて舞鶴遊水地から出て採餌する舞鶴親子

 むかわ町周辺に定着したペアが、17年と21年に営巣し、幼鳥を育てあげた厚真町の湿地にいま、風力発電所の建設計画があり、手続きが進んでいます。また、長沼町を除く千歳川遊水地群を市町域内に持つ自治体は、今後どのように「タンチョウと共生」したらいいか、まだ目標が定まっていないように見受けられます。私たちのつたない報告が、「タンチョウとの共生」に向けたこれからの取り組みの一助になれば、と願っています。


9月、2羽の幼鳥を連れて千歳市の根志越遊水地周辺に現れた318親子。道央圏で初めて幼鳥時に足環(318)が装着されたオス親(右)は、17年に厚真町の湿地で生まれ育ったむかわぺアの子どもだ

 助成いただいた北海道新聞野生生物基金はもとより、情報の共有、タンチョウの生態などについてご教示いただいた一般社団法人タンチョウ研究所の正富宏之氏、正富欣之氏、むかわタンチョウ見守り隊、ながぬまタンチョウ見守り隊の皆様をはじめ、ご協力いただいた多くの皆様に心から感謝申し上げます。私たちはこれからも「タンチョウとの共生」を目指して活動してゆきたいと思っています。皆様のご協力、よろしくお願いします。(文責 深沢)

身近な野鳥であるカラスとの共存・カラス対応マニュアル~北海道版2023改訂~=札幌市・NPO法人札幌カラス研究会

 当会は2017年からカラス対応マニュアルを作成しており、当初は自治体向けでしたが、広く一般へも配布しています。身近なカラスを理解してもらい、より良い共存を目指せるように活用していただけたらと思います。

身近な野鳥であるカラスとの共存・カラス対応マニュアル~北海道版_2023改訂~

 この冊子は、自治体担当部署への配布を目的に、当会に寄せられた相談や調査記録に基づく内容を中心に作成していました。しかし、市民などからの希望も多く、現在は無料で配布し、施設などへも設置してもらっています。
 カラスの相談は全国から多数ありますが、3月下旬から7月中旬にかけてが最も多く、そのほとんどが「繁殖期のカラスの行動」や「保護」に関してです。これから迎える繁殖期に自治体等や市民のカラス対応の参考にして頂けると、より良い共存が可能になると考えています。

カラスパンフレット

 マニュアル同様に、簡単ではありますがカラスの生態などを記載しています。

「繁殖期のカラスへの対応」のクリアファイル

 以前作成したものを増刷しました。繁殖期のカラスの行動や対処法を記載しています。それがわかれば、繁殖期のカラスとも共存できると思います。

天売島におけるウミスズメ等海鳥の保全活動=留萌管内羽幌町・北海道海鳥センター友の会

1.事業の目的

 北海道北西部に位置する天売島は、8種類約100万羽の海鳥が繁殖のために飛来する重要な海鳥繁殖地です。その中でもウミスズメは環境省RL2020で絶滅危惧ⅠA類に選定され、国内では安定して繁殖が確認されている場所は天売島が国内で唯一と考えられています。しかし、天売島で繁殖する海鳥の多くは環境の変化や人為的な影響、捕食者による影響などにより生息数が減少しており、ウミスズメについても生息数の減少が危惧されています。そのため継続的に個体数のカウントを実施することで経年的な個体数変化を把握することは、保護措置を検討する上で非常に重要となります。またウミスズメ類は陸上哺乳類がいないもしくは接近できないような離島や崖で繁殖するため、人為的に持ち込まれた陸上からの捕食者に対して非常に脆弱であると報告されています。天売島においてはドブネズミが多数生息しているが、ウミスズメにどの程度影響を及ぼしているかは明らかとなっていません。
 そのため本事業では、ウミスズメの保全に向けて継続的に生息状況を把握し、捕食者の及ぼす影響を明らかにすることを目的とし、ウミスズメの繁殖期における夜間の海上スポットライトセンサスを実施しました。それに加えて捕食者の影響把握調査についても実施しました。さらに、ウミスズメ保護の一助とするために調査結果を地域の方を対象に報告し普及啓発を実施しました。


北海道海鳥センターにおける報告会の様子

2.実施主体

北海道海鳥センター友の会
当団体は北海道海鳥センターと連携・協力し、自然観察会や環境教育などの普及啓発活動、海鳥の調査、海岸清掃など様々な活動を実施することにより、北海道海鳥センターの運営をサポートし、自然環境を保全することを活動目的としている。

3.実施の様子

 ウミスズメは繁殖シーズンの夜間に繁殖地の周辺海域に集まる習性があるため、海上スポットライトセンサスでは、日没後の20時から深夜23時までの時間帯に2晩において、海鳥繁殖地から300mおよび600m沖の航路で小型船を用いて個体数をカウントしました。
 また、捕食者が及ぼす影響把握調査においては、産卵期前にウミスズメが繁殖していると思われる場所周辺においてセンサーカメラを3カ所設置し、育雛期終了後の2023年6月下旬まで連続撮影を実施しました。更にドブネズミの動態などを明らかにし、ウミスズメの繁殖地におけるドブネズミの侵入頻度、ウミスズメへ及ぼす影響を明らかにするためにGPSロガーを装着しました。
そして11月には、町民の方を対象に調査結果の報告会を実施しました。


夜間の海上スポットライトセンサスの様子

4.成果・結果

 23年度の調査は、霧などがなく、波も50㎝以下の天候が安定した日に島入り、調査を実施した結果、ウミスズメは203羽を確認することができました。調査は天候や波の状況に左右されるため、1シーズン中に2~3回実施することが望ましく、今回は海上スポットライトセンサスを2回実施することができたため、データを収集することができた。また、23年度に実施した捕食者が及ぼす影響把握調査においては、センサーカメラではドブネズミは確認されませんでした。また、GPSロガー装着やイヤータグによる動態調査ではドブネズミを再捕獲することができなかったため、今後は捕獲数を増やすなど手法について再検討する必要があると考えられました。
 また11月には地域住民の方を対象に調査結果の報告会を実施しました。10名ほど参加し、「非常に勉強になった」「海鳥のために今後どんなことができるか考えていきたい」などの意見をいただくことができました。今後もウミスズメの保全に向けた普及啓発を行っていきたいと思います。