自然・環境出前講座
北海道新聞野生生物基金は、北海道の自然と野生生物を守る大切さを訴え、広く周知するため、全道各地の小中学校・高校・大学や市町村の講座などに評議員の講師陣らを派遣する「自然・環境出前講座」を実施しています。以下に出前講座の実践例を紹介します。派遣の希望がありましたら、ご相談ください。
2024年 大空町・大空高等学校
大空町・大空高等学校での講座風景
釧路管内東藻琴町の大空高等学校で、自然・環境出前講座「酪農学園大学と旭山動物園が取り組むマレーシア自然環境の保全」と題して、マレーシアサバ州で実施している野生動物の保全活動について、講演を行いました。講師は、酪農学園大学・名誉教授の金子正美さんで、酪農学園大学非常勤講師のキューイーホンさん、マレーシア国立サバ大学からの留学生4名も参加して、マレーシアの自然や文化についての交流を行いました。
講演では、マレーシアが直面している野生生物の生息地が分断、減少している現状と原因について触れ、保全活動の難しさを説明しています。こうした学びから、北海道の自然や野生生物の保全にも興味と理解を持ってもらえればと思います。
2017年 苫小牧市民活動センター
旭川市旭山動物園で動物たちの「行動展示」を実践したことで知られる評議員の坂東元園長が11月30日、北海道消費者協会のエゾシカ連続講座の一つとして招かれ、苫小牧市民活動センターで「北海道の野生生物と共存する社会の姿とは」と題して講演しました。
おなじみの作業服姿でエゾシカとの共存策を講演する旭山動物園・坂東元園長(現在は統括園長)
市民ら約50人が詰めかけた講演会では、坂東元園長は自ら狩猟免許を取得したことで全国から「動物園で働く者が命を奪うのか」などと批判を浴びた経験も紹介。「エゾシカは年間約14万頭が駆除されている。オオカミを絶滅させるなど、私たちの営みが結果としてエゾシカを増やし、害獣にしてしまったことこそが人間の罪深さ。しかも奪った命の9割はごみとして捨てられている。命を奪っていることを心に刻み、死を見つめるきっかけにしたい。食文化を育ててこそエゾシカを大切に思うことにつながり、共存の未来が見えてくる」などと話し、市民らの共感を呼んでいました。