北海道新聞野生生物基金では、大人から子供まで、楽しみながら自然を体験できる事業や北海道の自然の素晴らしさや、失われようとしている自然の実状を共に考えてさまざまな活動に力を入れています。 野生生物基金で実施している事業は次の通りです。
■普及啓蒙事業
・オリジナルカレンダー WILD LIFE
・フォーラム、シンポジウム
■体験活動事業
・自然・環境出前講座
・自然・環境エクスカーション
・モーリーの森づくり
■コンテスト事業
・北海道野生生物写真コンテスト
・夏休み自然観察コンクール
■出版事業
・自然情報誌「モーリー」
■調査事業
・北海道フラワーソン
■助成事業
・自然保護、野生生物保全の団体・個人へ助成
2024年度 夏休み自然観察記録コンクール
第31回夏休み自然観察記録コンクール(北海道新聞野生生物基金、北海道自然保護協会、北海道新聞社主催)は全道19小学校から58点の応募があり、入賞9点、佳作11点が選ばれました。入賞、佳作は次の通りです。(敬称略)
銅賞
奥成 宥伍 (札幌市立藻岩小1年) 「かぶとむしのせいかつ」 |
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佐々木 紬 (恵庭市立恵庭小3年) 「かたつむりのかんさつ」 |
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小関 悠生 (札幌市立信濃小3年) 「生き物かんさつ」 |
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大江 陽向 (札幌市立豊園小4年) 「おばあちゃんちの畑の野菜」 |
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吉田 美里 (網走市立網走小5年) 「今年の天気でい常だと思ったこと」 |
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坂本 颯人 (千歳市立みどり台小6年) 「僕の昆虫物語」 |
佳作
高橋 芽里(恵庭市立松恵小1年)「あさがおのかんさつ」
青木 乃々花(札幌市立藻岩小2年)「みどりコースのしょくぶつたち」
石塚 優暉(札幌市立藻岩小2年)「メダカ日記」
嶋田 愛莉(札幌市立藻岩小3年)「三笠のアンモナイトについて」
小島 進(札幌市立中央小3年)「道ばたのひょんなところに生えている多肉植物」
坂本 雅人(千歳市立みどり台小4年)「テントウムシのひみつ教えます!」
赤塚 直紀(札幌市立藻岩小4年)「カブトムシの生たい」
小林 蒼都(札幌市立あいの里東小5年)「鳥と木の関係」
太田 彩萌(札幌市立藻岩小6年)「金魚について」
金野 稟平(札幌市立東橋小6年)「エゾサンショウウオ新聞」
原 万琴(新ひだか町立高静小6年)「この夏の山を見る」
約40人が来場したネーチャーフォーラム2024
北海道新聞野生生物基金のネーチャーフォーラム2024「北海道の動物園水族館9園館プロジェクト」が8月31日、札幌市中央区の道新プラザDO-BOXで開かれました。
酪農学園大学・金子名誉教授と旭山動物園・坂東元統括園長が講師を務め、大雨によるJR不通で参加できなかった釧路動物園を除く道内8つの動物園・水族館の飼育員らが、雨の中、来場した約40人を前に野生生物の保護や保全活動について発表しました。
9園館プロジェクトは、道内の日本動物園水族館協会に加盟する動物園と水族館が連携して、野生生物の保全に関する調査研究、情報共有や普及啓発活動を行うというもので、職員の合同研修や施設の相互利用なども目指す新しい取り組みです。
北海道新聞野生生物基金では、今後も同プロジェクトの活動に注目していきたいと思います。
フォーラムに参加した動物園・水族館の参加者と
金子さん(中央右)、坂東さん(中央左)
<9園館プロジェクトで取り組む「北海道産いきもの保全プロジェクト」>
北海道内の動物園・水族館の施設8園館で立ち上げた「北海道産いきもの保全プロジェクト」に「AOAO SAPPORO」が加わり、9園館での活動となりました。
北海道は、日本の中でも独自の貴重な生態系が築かれています。9園館が協働で持続可能な生物多様性の保全に向け、北海道に生息している生物や環境の域内・域外保全活動を積極的に実施していきます。
活動内容は、
・北海道の野生生物の域内保全・域外保全に係る活動
・北海道の野生生物の保全に係る調査・研究
・北海道の野生生物の生態や自然保護についての教育普及啓発
・職員の相互研修
・施設の相互利活用
などです。
「北海道産いきもの保全プロジェクト公式Instagram」 https://www.instagram.com/hokkaidousan.ikimono/
■ウチダザリガニ55匹捕まえた 洞爺湖町で夏休み体験学習
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北海道新聞野生生物基金とUWクリーンレイク洞爺湖の共催で、酪農学園大学の吉田剛司教授と研究スタッフ、大学生ら10人の全面協力で調査研究の最前線を学んだ。 初日は洞爺湖町に到着した後、まず湖畔で小学1年生から6年生まで3班に分かれ、外来種のウチダザリガニ捕獲の罠をサケのあらを餌にして作り、25メートルぐらいの間隔で6基を次々湖に投げ入れた。 引き続き、洞爺湖ビジターセンターに移動し、有珠山噴火の歴史を勉強した後、火山マイスターの後藤信二さんの案内で金比羅火口災害遺構散策路を歩き、火山噴火の被害にあった遺構の旧町民住宅などの説明を受け、「有くん火口」まで登り、雄大な大自然のジオパークと素晴らしい景観を楽しんだ。 夕食後は財田自然体験ハウスへバスで移動し、真っ暗な夜の森では目や耳が研ぎ澄まされることを体感した。 翌朝は、洞爺湖の遊覧船に乗り中島に到着。山の中腹に開けた大平原まで登り、途中、エゾシカに食べられ消失した植物、エゾシカが嫌いで食べない植物だけが残った現状を観察し、北海道全体で問題になっているエゾシカによる食害、環境改変について考えた。 全国でも有数のパワースポットの大平原に到着すると、大きく手を広げみんなでパワーを吸収していた。 湖畔に戻り昼食の後、初日に仕掛けた罠を引き上げると、55匹ほどのウチダザリガニがかかっていて、これを1匹ごとに重さや体長などを記録し、酪農学園大学が続けている調査、研究のお手伝いをした。最後にウチダザリガニを塩茹でやエビチリなどにしした料理を、「意外とおいしい」と喜んで味わった。 初日に渡されたワークブックには、体験学習の成果がそれぞれに書き込まれ、有意義な時間となった。帰りのバス内では父母にもこのツアーの評価に関してアンケートに答えてもらい、大学側の研究成果の資料にもなった。 |
■親子エコキャンプin平取 ホタルの灯りと満天の星に感動 |
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エコ・ネットワーク、北海道新聞野生生物基金の共催で、講師は小川巌さん(エコ・ネットワーク代表)、新明力さん(自然調理人)らで、それぞれの分野で講師を務めた。 初日はテント設営の後、キャンプ場内には、アブが多く飛んでおり、数種類のアブやオオマルハナバなどの標本を実際に触り違いを勉強した。アブは刺すとは言わず、止まっても数秒間はかじらないので、落ち着いて振り払ってなどと注意事項も説明した。太陽光エコクッキングでは、太陽の光を集める装置を使いゆで卵などを作り、太陽光でも十分料理ができることを学習した。引き続き天ぷら油など廃油を使ったキャンドル作り に挑戦した。 キャンプ場内のヤマベ管理釣り場・仁世宇園では全員が1匹ずつ釣り上げ、夕食のカレーと一緒に刺し身、から揚げにして味わった。 街灯も消された夜のキャンプ場では、広々とした園内をみんなで歩き、輝くホタルを見つけて大喜び、満天の星空と共に、幻想的に輝く夏の一夜を楽しんだ。 翌朝は、まず新明先生が近くのニセウ川で釣り上げたニジマス、ウグイ、ヤマベの違いを現物で学習したあと、周辺で採取したイタドリとサビタ(ノリウツギ)、ササの葉を使って、笛づくりを指導した。 サビタの茎は皮をむくと昔、ノリの原料でもあったと言われるようにネバネバとしており、子供たちは茎の中心をネジで一生懸命に繰り抜いて空洞にし、斜めに切った先に切り込みを入れ、そこにササの葉を挟んで笛を完成させた。イタドリの茎は最初から空洞で、簡単に作ることが出来、思い思いの音を鳴らせていた。 最後の毒草識別講座では、小川先生がキャンプ場内を散策しながら、ヨモギとトリカブトを見つけ「ヨモギは食べられるが、よく似ているトリカブトは毒があるので注意して」と説明した。 今回はテント張り、たたみに苦戦したものの、参加者は1泊2日で大自然の中のキャンプを満喫した。 |