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2024年 第30回北海道野生生物写真コンテスト入賞・入選作品

 公益財団法人北海道新聞野生生物基金、北海道新聞社主催の第30回北海道野生生物写真コンテストの入賞・入選作が決まりました。

 応募総数は動物、植物両部門合わせて前年より51点少ない435点になり、動物部門は344点の中から1席には釧路市の今泉俊雄さんの「虹に翔ぶ」が、植物部門は91点の中から1席には十勝管内音更町の綱影悦子さんの「夢想花」が選ばれました。入賞・入選作の全作品は下記の通りです。

 入賞・入選の作品展は2024年11月1日(金)~6日(水)、富士フイルムフォトサロン札幌(札幌市中央区大通西6丁目1番地 富士フイルム札幌ビル1階)で開きます。

◇応募作品総数 動物部門344点+植物部門91点=合計435点
◇入賞・入選作品 32点(動物入賞7点 入選12点 植物入賞4点 入選9点)
◇募集期間 2024年 8月1日~8月23日
◇主催 公益財団法人北海道新聞野生生物基金、北海道新聞社
◇審査委員
(敬称略)
寺沢孝毅、奥田実、小川巌、中井和子、西村昌晃、川村公人

動物部門(応募総数344点)

  入賞作品
(7点)
氏名 住所 タイトル
(動物名)
1席
今泉 俊雄さん 釧路市 虹に翔ぶ(アマツバメ)
2席 中神 由美子さん 札幌市 デュエット(クロイトトンボ)
岩井 郁美さん 岩見沢市 食べないで…(キタキツネ、ネズミ)
3席 髙橋 大樹さん 札幌市 スカイダイニング(エゾモモンガ)
佐々木 歩さん 苫小牧市 黄昏時(エゾシカ)
出口 博司さん 帯広市 未来へ繋ぐ(サクラマス)
鮫島和子賞
田中 かおりさん 札幌市 氷上のオアシス(ヒレンジャク)

動物部門講評 審査委員長 寺沢孝毅

一席の「虹に翔ぶ」の主役は、鳥類では最速クラスで飛ぶことができるアマツバメだ。海食崖に面した空間を、滝を背景に飛翔する姿を捉えた。目を引くのは水飛沫に浮かぶ虹色で、差し込む光が限られた条件に合ったときだけ現れる光彩だ。それを鮮やかに表現できたことが作品の完成度を高めた。
二席の「デュエット」は、水鏡が青空を淡い色に映し出し、そこに2ペアのイトトンボが絶妙なバランスで映し出されている。身近にある小宇宙を見逃さずに、美しく切り取った作者のセンスが光る。
「食べないで…」は、捕食という決定的瞬間の一瞬手前を切り取っている。目線を合わせる大きさがあまりに違う両者がこの瞬間、どんな思いを巡らせたのか。その後の結末まで想像させる物語性ある作品だ。
三席の「未来へ繋ぐ」は、サクラマスの美しい朱色と、遡上する二匹の躍動する姿に胸を打たれる。作品からは、この営みが北海道にいつまでも続いてほしいという願いが伝わってくる。
「黄昏時」は、傾いた陽光がスポットライトのように注いで、エゾシカとススキを浮かび上がらせた。その瞬間を逃さずに捉えた作者の感性がすばらしい。
「スカイダイニング」は、エゾモモンガの滑空シーンを完璧に捉えた秀作だ。くわえているハンノキの花序が作品の価値を高め、見る者を楽しませてくれる。
鮫島和子賞の「氷上のオアシス」は、北海道らしい白い世界の一場面。伝わってくる厳しい寒さと対照的なのは、活発に水飲みや水浴びなどをするヒレンジャクの姿だ。野生を生き抜く強い生命力を感じさせるすばらしい作品だ。

入選作品
(12点)
氏名 住所 タイトル
(動物名)
優秀作 藤田 典子さん 札幌市 越冬家族(オシドリ)
出口 大芳さん 滝川市 ファミリー(ラッコ)
岡内 孝一郎さん 滝川市 誘惑(モンシロチョウ)
西山 豊洋さん 江別市 春の詩(ニュウナイスズメ)
安孫子 勝さん 江別市 森の軽業師(エゾリス)
菅原 久美子さん 赤平市 シルエット(キタキツネ)
奥 睦志さん 千歳市 着陸体勢(シマエナガ)
藤本 卓哉さん 恵庭市 バンジージャンプ(シマエナガ)
谷岡 隆さん 日高管内
新ひだか町
舞踏会(ハクガン)
斉藤 宏和さん 上川管内
東神楽町
雪の日のリフレイン(イイズナ)
多田 和弘さん オホーツク管内
置戸町
肩寄せあって(ヒグマ)
大塚 達男さん 神奈川県鎌倉市 流氷に佇むオオワシ(オオワシ)

 

植物部門(応募総数91点)

入賞作品
(4点)
氏 名 住所 タイトル
(植物名)
1席
綱影 悦子さん 十勝管内音更町 夢想花(水芭蕉)
2席
圡田 弘志さん 渡島管内七飯町 玉座(マスタケ)
3席
佐野 ミヨさん 恵庭市 ひっそりと(サンカヨウ)
鮫島和子賞
東等 和子さん 釧路市 朽ちゆく漁港で(ハマナス)

植物部門講評 審査委員長 奥田実

近年、スマートフォンで撮影することが一般的になってしまった感があるなか、重い機材を構え、被写体と真正面から向き合うことが作品の臨場感につながる。

「一席」 『夢想花』は、火山性の沼に咲くミズバショウを捉えたものだ。黄銅色の沼の扇状の光のなかの一輪の仏炎苞は仏さんに見えなくもない。見事な情景である。ほんの少し低い位置からもう一段近寄ることで力強さは一層するだろう。右端の木立の処理にもう一工夫。
「二席」 『玉座』は、紅いマスタケとカタツムリを捉えた作品である。紅いマスタケと枯れ残った葉の緑が対比する玉座、そこへカタツムリが向かっている。背景の荒々しい幹には黄葉したツルアジサイの細い枝が這い、小さなキノコもある。役者がそろっている。
「三席」 『ひっそりと』は、山辺に咲くサンカヨウを捉えた作品である。少し花期を過ぎた状態であろうか。茶褐色の背景のなか、トップライト光が花弁の透明感を増幅し、雄シベの葯を浮き上がらせている。清涼感ある作品に仕上がっている。
「鮫島和子賞」 『朽ちゆく漁港で』は、塗装の剥げた岸壁の割れ目に根を張るハマナスを捉えた作品である。錆びたワイヤーや漁網が散在する防波堤の片隅で花期を迎えるハマナスの花からは強い生命力を感じられ、作者の着眼点と小道具の使い方の巧みさも伝わる。

入選作品
(11点)
氏 名 住所 タイトル
(植物名)
優秀作 輪島 礼子さん 札幌市 雨上がりの森の物語(きの子)
中神 由美子さん 札幌市 滴凍りて(苔)
佐々木 洋さん 苫小牧市 初夏の訪れ(エゾノミズタデ)
大谷 重夫さん 苫小牧市 森のファンタジー(キノコ(不明))
竹田 啓子さん 釧路市 秋のデコレーション(モンタナの松)
阿部 孝志さん 江別市 共に生きる(エゾオオサクラソウ)
大鹿 静彦さん 北見市 秋彩(白樺)
河原 典子さん 芦別市 キラキラと輝く(エゾエンゴサク)
浅野 晴也さん 釧路管内弟子屈町 6月の森に咲く(ゴゼンタチバナ)
村田 浩一さん 十勝管内音更町 湿原に咲く(クリンソウ)
完山 富江さん 東京都立川市 苔に咲く(エゾノリュウキンカ)